日本語能力試験に迫ってくると、学習者はどのように準備を進めていけば焦ってしまいよく相談に訪れる。
主には、「練習問題集など参考書を紹介してほしい」、「何をどう準備すればいいかわからない」といった相談が多い。
学習者の焦らずを得ない気持ちも理解できるが、まずは「なぜ日本語能力試験を受けるか」その理由をうかがうことを念頭におく必要がある。いったい何を目標にして試験を受けようとしているのかが確認できないと、学習者それぞれにふさわしい対策ができないからである。
次に、現在の進捗状況をうかがう。「今使っている練習問題集や参考書はあるのか」、「使ってみてどうだったのか」、「一番困っているのは何か」など。学習者が自分自身の状況についてよく知っているようであれば、ニーズに沿って、リソースを紹介したり、試験までの学習計画について話し合ったりすることができる。
一方、ただ申し込みをしただけで、「どうすればいいかわからない」という漠然としている学習者に対しては、対応の仕方が異なってくる。まずは、日本語能力試験のホームページを検索し、問題例や書籍案内などを確認してみることを勧める。そして、日本語能力試験に一番近いといわれている『日本語能力試験公式問題集』を手に入れるようアドバイスする。ひととおりやってみることにより、どのような問題が出題されるかが確認でき、どの部分が弱いのか自己分析ができるからである。したがって、弱い部分について集中的に練習を行うなど次のステップも明確になってくるだろう。