作文を検討する際に、言いたいことが文としてうまく表現できず、文の構造を整理するのに時間がかかってしまうときがあるのではないか。そのときに、書きたいことをとにかく可視化することが有効だと思われる。
たとえば、ある学習者は授業で、プリントの質問に答え感想を述べるというような課題を課せられた。まず書いたものを一緒に確認し、意味不明な文について学習者に質問した。意味を自分の言葉である程度説明はできるが、どうしても形の整った文として書けなくつまずいたときがある。その時に頭で考えるだけではなく、とにかく考えたものを書き出し、可視化するように促した。たとえば、まず言いたいことを言ってもらう。アドバイザーはそれを聞きながら、言ったことを意味によって箇条書きする。それから各部分の意味と部分間の関係を確認しながら、文に統合することを一緒にやってみる。
対応後学習者は、考えたことを文字で確認しながら整理ができてよかった、と振り返っていた。アドバイザーとしても、書くことの悩みに対して可視化の効果を実感した。