質問には質問で答える。

学習者は常にさまざまな疑問をもって相談に訪れる。例えば、「日本語能力試験の準備をしたいのですが、どのような教材がお勧めですか?」など。このような場合、もしアドバイザーが日本語能力試験に関するリソースに詳しいのであれば、すぐに答えを与えることはできる。ところが、学習者の質問に対してすぐに答えを与えてしまうと、それは単なる相談になり、アドバイジングにはつなげられなくなる。
アドバイジングにつなげるためにはどのような工夫が必要なのか。
一つの方法として、「学習者の質問には質問で返す」ということを挙げられる。つまり、「日本語能力試験の準備をしたいのですが、どのような教材がお勧めですか?」という質問に対して、すぐに答えるのではなく、「現在使っている教材はあるのか」、「現時点で自分のどの部分が弱いと思うのか」など質問をするということである。聞き返すことにより、学習者の学習状況が確認でき、学習者に自分自身の問題について考えるきっかけを与えることができる。