日本語学習者の中には、「効率よく日本語学習を進めるため計画を立てて行う」学習者が数多くいるが、「計画は立てているがうまくいかない」、「立てた計画が自分に合っているかどうか分からない」という声もよく聞こえる。
計画を立てるに当たって最も重要なのは、目標が明確であるかというである。日本語学習の場合、日本語を使って将来どのような仕事をしたいのか、自分の人生の中で日本語学習はどのような位置づけになっているのか、今年度の日本語能力試験に合格するためにはどうすればいいのかなどの目標があるだろう。
学習者と日本語学習の目標について話し合いながら、今まで計画を立てて学習を行ったことはあるのか、その計画に何か問題点があったのかなどを確認することも重要である。それを踏まえた上で、改善点を学習者と一緒に考えていく。
以下例をあげながら述べよう。例えば、現在大学2年生の初中級の学習者で、大学を卒業する際には上級にレベルアップしたいという目標があるとしよう。すると、大学卒業までの3年間をどのように時間配分していくのかが必要になってくる。そのためには、履修している日本語授業はあるのか、日本語学習に投資できる時間はどれくらいあるのかなど現在の状況を確認しなければならない。現在の状況を把握したうえで、まずは1年後、2年後、3年後の目標を設定し、それに沿って学期ごとの計画を具体的に立てていくようにする。
重要なのは、計画を立てることが最終的なゴールではないことを学習者に理解してもらうことである。最初に立てた計画で実行し、学習時間を増やしたり目標を変えたりなど、自分自身にふさわしくないと思われるのは常に改善していくようにサポートする。