「日本語がぺらぺらになりたい」は、一つの典型的な相談事例である。
このような悩みをもっている学習者に対し,「日本人の友達を作ってみたら」あるいは「住んでいる地域の日本語教室を探してボランティアと会話の練習をしたら」といったようなアドバイスを行うことは容易である。しかし、このようなアドバイスだけでは,学習者の根本的な問題の解決にはならない。
日本語がペラペラになりたい、といった漠然としたニーズをもつまでの背景の把握を優先に考える必要がある。なぜペラペラになりたいのか、そう思ったことには何か理由があるのか背景を聞くことによりニーズを具体化していく。もし単なる会話の練習を求める場合には、交流イベントなどコミュニティの情報を提供することの対応ができる。
もうひとつ大事なのは、学習者が思う「ペラペラ」とはどのようなことを指すのか、または学習者が漠然と思っている悩みなのかなどその本質を明確にする必要がある。それによって学習者が目指す「ペラペラ」になるための方法を一緒に考える方向に対応セッションを進めていくか、それとも、学習者のニーズをより明確にするためのやりとりにするかが決まる。